●“出来の悪い子ども”は親の責任
大人である私たちは、現代社会や時代の歪みに対処していかなければならないのですが、これはしかし簡単なことではありません。もはや一個人では手のつけようがないほど複雑な様相を呈しています。子どもたちの受難、親と子の葛藤、そうした問題を”親の責任”として考えていかなくては、社会や時代の歪みは少しも是正されないだろうと思うのです。
いわゆる『落ちこぼれ』や、『いじめっ子』や、親に反抗ばかりする子どもなど、”出来の悪い”子どもは家庭はもちろん学校にも社会的環境にも根深い原因があることはいうまでもないのですが、私はあえて”親・家庭の責任”として受け止めるべきだと思います。
よく起り得るケースなんですが「出来のいい子ども」がそのまま親の期待通りには成長していかないという問題があります。たとえば小学校の頃にはとても優秀だった子どもが、中学・高校と進むうちに並の成績しかあげられないというケース。あるいは小さい頃は素直で聞きわけのいい子どもだったのに、中学・高校になると悪い遊びをおぼえ、親が注意しても言うこともきかなくなったというようなケースです。
多くの親は、こうした「子どもの変ぼう」に困惑し、嘆き諦めているのが実状かもしれません。中には子どもに向って怒り狂い、親の気持や物心両面での支援をなんだと思っているのかと子どもを責めている光景も見受けられます。これだって責任は親にあるというほかありません。少くとも15歳の年齢までは親の責任です。
人間は3歳から15歳までの12年間、つまり十二干支が一周りする間に人生の方向といいますか、運命開発を形成づけるのです。やがて成人してからやって来るであろう運命が3歳を基点にして、15歳くらいまでに決まってしまうものなんです。
子どもが小学校に上ったから、中学生になったから子どものことは子どもにまかせて、自分は好きなことに専念しようとする親がいます、とんでもない話です。手がかからなくなったからといって安心はできないのです。15歳はもとより高校を卒業する18歳くらいまでは子どもとの対話を持ち、親が気をつけていかないとちょっとした反動で人生は曲がっていくのです。親が子どもとどうつき合い、子どもをどうみていくか、そこのところが子育てのポイントになってきます。
目次
第一章 「子どもとの付き合い方」
第二章 「子どもにタテ社会とヨコ社会を教える」
第三章 「子どもの性格・個性を知る」
第四章 「子どもに幸運をつかませるには」
第五章 「男と女・運命の違い」
第六章 「男と女で育て方が違う」