これまでお話ししてきた「五徳」というものは本能ですから、誰もが生まれついて”種”や”芽”は持っています。種が芽を出し、芽が順調に伸びるかどうかの違いです。あるいは、分量が多いか少ないか、そのバランスの問題です。
何か自分は不運だとか、ついていないという人がいたとするなら、そういう場合、「知徳」は磨かれているのか?、「仁徳」はどうか?、「礼徳」は?、「義徳」は?、そして「信徳」は?と、これら全部がバランスよく揃っているかを考えるべきです。自分は不運だと言う人はたいてい、どこかが欠けているものです。
徳というものは発揮されなければ意味がありません。持っている本能というものをある程度使い切らないと歪んでしまいます。鍛えなければ伸びるものも伸びないのです。もっとも大人の場合は欠けたところの認識はできても、備え直すということはなかなか出来難いのが実情で、性質を直すということは難しいことです。
しかし、これから性格がかたまり出し人格形成を行っていく子どもの場合、五徳を備えて優れた本能を発揮させてやることは大切なことですし、親の役目です。
ですから親自身が、「五徳」=「五大本能」とは何なのか、そしてパーソナリティは「五徳」=「五大本能」によって決ってくるということを知っておいてほしいのです。その分量、強いとか弱いといった傾向をつかみ取り、子どもの将来を手助けしてやってください。
目次
第一章 「子どもとの付き合い方」
第二章 「子どもにタテ社会とヨコ社会を教える」
第三章 「子どもの性格・個性を知る」
第四章 「子どもに幸運をつかませるには」
第五章 「男と女・運命の違い」
第六章 「男と女で育て方が違う」