タテ割り感覚もヨコ割り感覚もバランスよく備えていくのが理想的なのはいうまでもありませんが、これはまず親がそうでなくては話になりません。
つまり、家庭がタテ割りとヨコ割りのバランスがとれていて、はじめて子どもは学びとっていけるんです。
昭和二十年代くらいまで日本は、完壁に近い形でタテ割りだけの家庭でした。その結果は多くを申すまでもなく集団や国家のいいなりになる国民性に色どられてしまいました。
そこヘ、欧米流のヨコ割り感覚がとり入れられ、タテ割り社会も変ってきたのですが、どうもうまくいっていない感じがします。タテ割りにはタテ割りのよさがあるのに、全否定されてしまう。あるいは、タテ割りでいくべきときにヨコ割りで考えてしまうことがある。
逆にヨコ割りで処するべきことをついついタテ割りで片づけてしまう。そういう混乱が、夫婦の間や親子の間で起きているようです。
それは、“役目” ”役割”というものが家庭の中で確立されず壊れていることに最大の原因があると思われます。
父(夫)、母(妻)の役目・役割が守られず果されず、夫婦及び親子は対等だということが、はきちがえられていると思われます。
とくに20代、30代の夫婦の家庭をみていると、父(夫)の役目・役割、母(妻)の役目・役割をきちんと引き受ける”姿勢”や”覚悟”が薄くなってきています。
これでは、子どもがタテ割り感覚とヨコ割り感覚のバランスの程よいとり方を、どう身につけたら良いのかがわからないのも無理はありません。そのところが親の責任を強調したい理由なんです。
目次
第一章 「子どもとの付き合い方」
第二章 「子どもにタテ社会とヨコ社会を教える」
第三章 「子どもの性格・個性を知る」
第四章 「子どもに幸運をつかませるには」
第五章 「男と女・運命の違い」
第六章 「男と女で育て方が違う」